【基幹記事】次のMBO候補を探せ！注目すべき特徴やスクリーニングの総論

はじめに

2024年から2025年にかけて、日本の株式市場では「MBO（エムビーオー）」という言葉がよくニュースに出てくるようになりました。MBOとは、会社の経営陣（社長や役員など）が自分たちで会社の株を買い取ること、つまり「自分たちの会社を自分たちで買う」ことです。

最近では、大正製薬やベネッセホールディングスなど、有名な上場企業でもMBOが行われていて、「次はどの会社がMBOをするのか？」と投資家たちが注目しています。

この記事では、MBOがなぜ増えているのか、どんな会社で起こりやすいのか、そして実際の事例やMBO候補の探し方についてやさしく説明します。

なぜ今、MBOが増えているのか

2024年の日本では、MBOやTOB（会社の株をまとめて買い集める方法）がとても目立ちました。その理由はいくつかありますが代表的には以下の2点が挙げられます。

• 東証（東京証券取引所）がルールを変えたこと
  • 東証が最近、上場企業に対して「もっと株価を上げてください」と強く言うようになったり、上場を続けるための条件を厳しく設定するようになりました。
• 上場していることでかかるコストや手間が増えた
  • 上場していると、たくさんのルールを守ったり、株主（会社の株を持っている人たち）の意見を聞いたりしなければなりません。
• 会社の後継者問題（事業承継）が深刻になっている
  • 特に中小企業では「身内で次に会社を任せる人がいない」という問題が増えています。そこで親族以外の社員や役員が後継者となる承継をMBOで実施すれば、部外者がなるより混乱を抑えやすくなります。

こうした背景から、「上場をやめて、経営陣が自分たちで会社を自由に運営したい」と考える会社が増えているのです。2025年以降も、業界の再編や会社同士の合併が進み、MBOやTOBを使った動きがまだまだ増えると予想されています。

MBOが起こりやすい会社の特徴

MBOが起こりやすい会社には、いくつか共通したポイントがあります。これを知っておくと、「次はどの会社がMBOをするか？」を予想しやすくなります。

※財務面についての詳細はこちら

あわせて読みたい

MBO候補企業の特徴としての『財務体質の健全さ』はなぜ重要か？

MBO候補となる会社の探し方の導入

次にMBOをしそうな会社を予想して「先回り投資」をする手法を考えます。どんな点をチェックすればよいでしょうか？

ちなみに予想や候補の抽出をする際に「スクリーニング」という言葉がよく出てきます。これは一般的には「たくさんある中から条件に合うものをふるいにかける作業」のことをいいます。株式投資においていえば、証券会社のツールやデータベースを使い条件に合う企業をリストアップするという方法が代表的です。

MBO投資の注意点

MBOを狙った投資は、うまくいけば短期間で大きな利益を得られることもありますが、リスクもあります。

• TOB（買い取り価格）が思ったより低いと、株価が上がらないこともある
• 予想に反してずっとMBOが実施されない場合、株価が低迷し続けることもある
• 経営陣と株主の意見が対立して、TOBが成立しないこともある

2025年からは、東証のルール変更でMBOや親子上場に関する規則も見直されています。株価の算定方法や情報公開も厳しくなっているので、投資する人は最新のニュースや制度変更にも注意が必要です。

まとめ

MBOは、これからも日本の会社経営や投資の世界で大きなテーマになりそうです。PBR1倍割れやオーナー企業、財務が健全な会社、親子上場の会社など、データをもとにMBO候補を探すことで、次のMBOに先回りした投資も可能です。

ただし、リスクもあるので、冷静に分析し、分散投資を心がけましょう。2025年もMBO関連のニュースや市場の動きに注目して、データを活用した判断をしていきましょう！

Panda（パンダ）

公認会計士

監査法人出身の公認会計士。現在は一般事業会社の経理として実務に従事しながら、株式投資やインデックス投資なども実践中。 経理と会計士の視点から、MBO候補企業をゆっくり、でも深く掘り下げるブログを書いています。