【MBO予想】ナフコ(東証スタンダード・2790)

panda
目次
はじめに
こんにちは、MBO予想ブログのPandaです。
話題のMBO(マネジメント・バイアウト)について、実際の上場企業のうち「MBOの動きがあり得るか」という観点から一定程度評価できるものをご紹介していきます。
評価基準やスクリーニング方法の考え方はこちら

【基幹記事】《実例》MBO予想の評価基準やスクリーニング手順
今回は、ホームセンターで有名な㈱ナフコ(東証スタンダード・2790)をご紹介します。
企業概要
九州を拠点に全国34府県で360店舗を展開するホームセンター・家具小売業の老舗企業。1970年創業以来、地域密着型の経営を展開。
近年は物価高騰やコスト上昇の影響を受けつつも堅実な財務体質を維持。PBRは低めで極端な株価割安状態が続いておりMBO候補として注目できる企業。
本社所在地は福岡県。決算月は3月。
評価基準
スコアレンジ
各項目はS~Dの5段階評価です。
目安は以下の通りです(数値は便宜的な点数レンジ)。
評価 | 点数レンジ | 説明(基準)例 |
---|---|---|
S | 100~90 | 極めて優秀・業界トップクラス、MBO観点で非常に有利 |
A | 89~80 | 優秀・上位水準、MBO観点で有利 |
B | 79~70 | 標準的・平均的、MBO観点でやや有利 |
C | 69~60 | やや見劣り、MBO観点でハードルあり |
D | 59以下 | 明確な弱み、MBO観点で大きな障害 |
各項目の具体的な基準イメージ
- PBR割安度
S:0.4倍未満/A:0.4~0.6倍/B:0.6~1.0倍/C:1.0倍超/D:1.5倍超 - オーナー支配度
S:過半数超/A:35~50%/B:20~35%/C:5~20%/D:分散株主 - 自己資本比率
S:80%超/A:60~80%/B:50~60%/C:40~50%/D:40%未満 - キャッシュフロー
S:安定大幅プラス/A:概ねプラスで推移/B:年によって波があるが黒字基調/C:赤字年が目立つ/D:恒常的に赤字 - 配当性向※
S:10%未満/A:10~20%/B:20~35%/C:35~50%/D:50%超(※低いほどMBO観点で評価高) - 業界リスク
S:極大/A:大きい/B:やや高い/C:低い/D:皆無 - 時価総額
S:100億円未満/A:100~300億円/B:300~600億円/C:600~1500億円/D:1500億円超
MBO予想ステータス(2025年5月時点)

※配当性向は、MBO観点では低いほど高評価としていますのでご注意ください
基本能力の評価
- PBR割安度(S)
PBRは0.27倍。上場小売業の中でも最上位の割安水準。 - オーナー支配度(B)
創業家・深町家の資産管理会社である㈱深勝興産(26%)や深町家関係者(6%)を合わせて株式保有率は30%を超える。 - 自己資本比率(A)
自己資本比率68.4%。有利子負債も少なく財務健全性は非常に高い。 - キャッシュフロー(B)
営業CFは黒字基調が続いていたが、2025年3月期はマイナスに転じてしまっている。 - 配当性向(B)
配当性向は20%以上が多く標準的な水準。 - 業界リスク(B)
ホームセンター業界は競争激化や人口減少の影響を受けやすく、やや高いリスク水準。 - 時価総額(B)
約500億円(2025年5月時点)。MBO実行の資金調達面では標準的なハードル。
特殊能力の説明
- 株価減少傾向(○)
ここ15年程は株価が低調のまま推移している。2024年5月頃に1株3,000円の水準まで株価が一時的に上がったものの、現在はこれまでの水準に戻ってきている。
総評
株価の割安感、高い自己資本比率はMBOターゲットとして大きな魅力です。オーナー支配度は過半数に届かないものの経営陣・創業家主導でMBOを進めやすい体制です。
時価総額は標準的な水準で、MBOの資金調達面のハードルは高くありません。総じてMBO期待度は「やや高い」といえる水準と考えます。

財務体質は健全だが、2025年3月期は減収減益で営業CFもマイナス…。2025年5月12日に公表された決算説明会資料では来年である2026年3月期には更なる減収を予想しているようですね。
業績の伸び悩みの裏で市場や外部投資家からのプレッシャーが高まっているとすると、経営陣が長期的なスパンでの経営改善のためMBOに踏み切るというのはあり得るストーリーのように思います。
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