【MBO予想】ムロコーポレーション(東証スタンダード・7294)

panda
目次
はじめに
こんにちは、MBO予想ブログのPandaです。
話題のMBO(マネジメント・バイアウト)について、実際の上場企業のうち「MBOの動きがあり得るか」という観点から一定程度評価できるものをご紹介していきます。
評価基準やスクリーニング方法の考え方はこちら

【基幹記事】《実例》MBO予想の評価基準やスクリーニング手順
今回は、精密プレスメーカーである㈱ムロコーポレーション(東証スタンダード・7294)をご紹介します。
企業概要
高度なプレス技術をもつ自動車用駆動部品を中心としたメーカー。1958年創業以来、金型・プレスから切削・研削・熱処理・表面処理まで一貫生産体制を強みとし、国内外の自動車メーカー向けに高品質な部品を供給している。
自動車分野を軸に医療機器やロボット、農業機械など多分野への展開も進めている。近年は中国拠点の減損処理や国内自動車業界の認証不正問題などで逆風もあったが、堅実な財務体質と技術力で安定成長を続けている。
本社所在地は栃木県。決算月は3月。
評価基準
スコアレンジ
各項目はS~Dの5段階評価です。
目安は以下の通りです(数値は便宜的な点数レンジ)。
評価 | 点数レンジ | 説明(基準)例 |
---|---|---|
S | 100~90 | 極めて優秀・業界トップクラス、MBO観点で非常に有利 |
A | 89~80 | 優秀・上位水準、MBO観点で有利 |
B | 79~70 | 標準的・平均的、MBO観点でやや有利 |
C | 69~60 | やや見劣り、MBO観点でハードルあり |
D | 59以下 | 明確な弱み、MBO観点で大きな障害 |
各項目の具体的な基準イメージ
- PBR割安度
S:0.4倍未満/A:0.4~0.6倍/B:0.6~1.0倍/C:1.0倍超/D:1.5倍超 - オーナー支配度
S:過半数超/A:35~50%/B:20~35%/C:5~20%/D:分散株主 - 自己資本比率
S:80%超/A:60~80%/B:50~60%/C:40~50%/D:40%未満 - キャッシュフロー
S:安定大幅プラス/A:概ねプラスで推移/B:年によって波があるが黒字基調/C:赤字年が目立つ/D:恒常的に赤字 - 配当性向※
S:10%未満/A:10~20%/B:20~35%/C:35~50%/D:50%超(※低いほどMBO観点で評価高) - 業界リスク
S:極大/A:大きい/B:やや高い/C:低い/D:皆無 - 時価総額
S:100億円未満/A:100~300億円/B:300~600億円/C:600~1500億円/D:1500億円超
MBO予想ステータス(2025年5月時点)

※配当性向は、MBO観点では低いほど高評価としていますのでご注意ください
基本能力の評価
- PBR割安度(S)
PBRは0.31倍前後と1倍を大きく下回る水準で、上場製造業全体でもトップクラスの割安さ。 - オーナー支配度(B)
筆頭株主の有限会社インテレクチュアル(室一族の資産管理会社)が27%保有。経営陣と合わせて約35%。 - 自己資本比率(A)
自己資本比率は約66%と高く、有利子負債も抑えられているため財務の安全性は高い。 - キャッシュフロー(B)
営業CFは黒字基調だが年度によって波がある。2025年3月期も安定してプラス。 - 配当性向(A)
配当性向は20%前後。安定配当を維持しつつ内部留保も重視した資本政策。 - 業界リスク(B)
自動車部品業界はEVシフトや市況変動の影響を受けやすい一方、多分野展開によるリスク分散が進んでいる。 - 時価総額(S)
約70億円(2025年5月時点)と小型で、MBO実行の資金面ハードルは低い。
特殊能力の説明
- 株価減少傾向(○)
2017年頃は2,000円あたりまで上がったこともあるが、ここ数年は1,000円台前半の水準で低調。
総評
PBRの極端な割安さや高い自己資本比率、小型の時価総額、安定配当政策はMBOターゲットとして非常に魅力的です。
一方で、オーナー支配度が過半数に届かない点や、自動車部品業界特有の市況リスクが残る点がやや懸念材料となります。
総じてMBO期待度は「高い」と考えます。
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